俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

モヤモヤしたままいつの間にか眠ってしまい朝を迎えだ。

既読にもしなかった恭一君からのラインをほったらかしにしていたことを思いだし、青ざめて携帯をタップすると、新たに着信とラインが増えていて全く気づかなかった自分を恨めしく思った。


やばい。
怒ってる。

着信2件。
ライン3件。
『何してんの?』
『まだ風呂?』
『寝た?』


ひぃぃぃぃぃぃ。
━━━━━━━━━どうしよう。


一晩立って冷静になれた分、怒りに任せて携帯を放置したことを後悔する。

いや、こうなることも分かってた。
けど、だって、返信したくなかったんだもん。

このまま放置することも出来ず、怒られる覚悟をしてから返信をした。
家を出るギリギリに。

『おはようございます。いつの間にか寝てました!ごめんなさい。そして、行ってきます』

でも怖いから保身を図って、怒られるのを少しでも後回しにしたけれど。



だって、わたしばっかり怒られて。
なんだか腑に落ちない。

朝、幾分かマシになった頭で返信するだけの、怒られるだけの冷静さを取り戻したけれど、昨日までに溜まったフラストレーションももう限界で。


そうだ。
そうなんだよ。
腑に落ちないことばかりなんだ。
周りの身勝手さに辟易していたのだと、ようやくイライラの原因が分かった気がした。
モヤモヤはただのやきもちだけど。


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