俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
うわぁー。
なんか、理由が分かってスッキリした!
家を出て、駅までの道を歩きながらするすると頭の中が整頓されていく気がする。
そうなると、このままにしておけない問題もあるわけで。
一つ一つ終わらしていこう。
鞄の中で鳴り始めた携帯。
1つ目ね、と恭一君からの着信を確認してタップした。
「もしもし」
「杏?お前何してんの?」
一言目から明らかに不機嫌な声。
しかし、やるべき事が分かった今の私は違う!
「うん。まずは昨日はごめんなさい。そして、その件でお話があります」
「話?おい、その件で話したいのは俺だろう」
「恭一君の話はこの際もういいんです」
「は?」
「今日はまだ頭の中を整理したいので、明日か明後日時間もらえませんか?」
「は?お前何言ってるんだ?」
「じゃあ、私は今から電車に乗りますので失礼します。予定がわかったら連絡ください」
言うだけ言ってプツリと電話を切った。
怒ってるだろうなー。
でも、やっぱり私ばっかり怒られるのも違う気がするんだもん。
うん。
電車に乗って、華ちゃんに夜のアポをとるラインを送った。