俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

慌ただしく着替えを済ませ、最後にコンタクトをはめさせられた。

そこで初めて自分の姿を見ることができた。

私がうつっているはずなのに、髪型と服装が違うだけでこんなに変わるのかと。

「は、華ちゃん。私可愛くなりました」
「クスクスクス。杏は元から可愛いわよ」
「そんな事ないです!」
「前の黒いドレスの時も可愛かったはずよ」

「あの時は変わっていく自分をずっと見てましたから耐性が出来てましたけど、こんなに一気に変わるとビックリしますね」

「ふふふ。可愛くなりたかったんでしょ?この前言ってたじゃない。好きな人に可愛いって言われたいのは女の子なら誰でも思うことよ」

「華ちゃん!ありがとうございます」

鏡の前でくるくるまわりながら子供っぽいとは思いつつも嬉しくてはしゃいでしまった。
既に着替えを済ませていた華ちゃんとタクシーに乗り会場であるホテルオーラルに向かう。

早く恭一君に見てほしい。


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