俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

「杏、今日は小早川君残念ね」
「はい。仕方ないですよね」

そうなのだ。
どうしても仕事の都合がつかず、間に合うように頑張るとは言っていたが、昼間の立食パーティーは難しいだろう。


「そのかわり、私と一緒に楽しみましょうね」
「はい!」

恭一君には後からでも見てもらえたら良いや。さっき出来上がりの写メを送っておいたし、褒めてくれると嬉しいな。


会場につき、オーラルの2階ダリアの間とローズの間を貸しきって創立祭は行われる。
うわ。
今年は凄いな。


総務の人達がいる受け付けに向かい名前をチェックしてもらうと、何故か名前と顔を2度見された。

「か、笠原さん!?」
「はい。名前、無いですか?」

「う、ううん。違うけど……本当に笠原さん?」
「は、はい」

ざざっと周りが一歩後ろに引き下がり、何故か私の回りに空間が出来てしまった。

何故?


「杏、行きましょう」
「はい」

会場内に入って奥の方のスペースに華ちゃんと並ぶ。

中央に並ぶ美味しそうな食事にワクワクしてきた。

「華ちゃん!美味しそうですよ。早く食べたいですね」

「ふふふ。そうね」

ウエルカムドリンクを受け取り、始まるまでのあと少しの間ドリンクをのみながら華ちゃんとこれからのことを話し合う。

「今日、来てくれるでしょうか……」
「きっと、大丈夫よ。それまで私達は楽しみましょう」

頷いてニコリと華ちゃんと笑い会う。
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