俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
社長の挨拶から始まり、時間がたつごとに砕けた感じであちこちで笑い声が上がる。
私も華ちゃんと食事を楽しみ、すでにお皿の上はデザートいくつものデザートが乗せられていた。
「うっうっうっ、食べたいけれどお腹が気になります。でも減らせない」
「クスクスクス。杏はもうちょっと食べた方がいいわよ。これくらい大丈夫だから」
一口サイズのプチケーキを取りながら、どれもこれも美味しそうで堪らなくなる。
うーん。と華ちゃんと悩みながらデザートに夢中になっていると、隣に誰かが近づいてきた。
デザートかな。
とその場から離れようとすると、
「笠原さん?ちょっといい?」
と話しかけられた。
誰だろう?と首をかしげて華ちゃんを見る。小さく首を振っているので華ちゃんも知らないようだ。
「えっと……?」
「あ、俺西営業所の田中と言います」
営業所の人か……うん。知らないはずだわ。
「あの、突然ですが彼氏とかいますか?俺、一目惚れしました!友達からでいいのでご飯でもどうですか!?」