俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
あぁ、、、見つかった……。
チワワとは似ても似つかない鋭い目付きは、さっきまでのそわそわした落ち着かない気持ちを逆に私を冷静に変えてくれた。
…………やってしまった。
「…………ごめんなさい、やりすぎました。少し、やり返したくなっただけです」
カフェオレの入ったマグカップを持ったまま、頭を下げる。
私が素直に謝ったので、小早川君は面食らった様な表情をして、直ぐにニヤリと笑った。
「へぇ……嫌に素直じゃん。じゃあ、ひとつ貸にしてやるよ」
小早川君の台詞に頭を傾け、
「貴方のその態度の事と、今回の事でイーブンじゃないですか?貸はおかしい気がするのですが?」
「俺の事はもう口止め料払ってるからな。これは貸だ」
当たり前のように小早川君は言うが、あれはただの嫌がらせじゃないかと、笠原は思った。
「悪質な金貸しみたいですね」
と、ため息まじりに笠原も言う。
「クククッ、やっぱりおもしれぇ」