俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


それからも和やかに創立祭は進み、恭一君がずっと横にいてくれたお陰で困ることもなく食事と会話を楽しんだ。

チクチク女の子の視線は痛いけど、今日の恭一君はかっこよすぎだ。
仕方ないわ。

最後は総務部長と秘書課の面々がステージに上がり、一本締めで創立祭は終了した。


これからはホテルの人が大急ぎでフロアを片付けて次に備えてもらう。
私も恭一君と別れて総務のお手伝いだ。


一部屋借りてパンフレットやお土産を置かして貰っている部屋から荷物を運び、準備をする。

馴れない服装と足元でゆっくりしか運べなかったが、他の総務の女子社員と話ながら楽しく準備ができた。

「ねぇねぇ。笠原さんって小早川くんと付き合ってるの?」
「は、はい」

「婚約者って?」
「私もなんでそんな話になったのか分からないんです」

「へー。小早川君プライベートも爽やかなの?」
「えっ?いやーどうでしょう……」

女子が集まると話しは恋愛話で弾む。
いくつになってもそれは変わらないんだなぁ。
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