俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
「俺のこと信用できない?ストーカーするような奴に見える?……水守さん。俺ストーカーしたかな?君のこと軽蔑する」
「……っ、」
「あ、あの……どういうことですか?」
光希君の登場は私は知らされてなくて、華ちゃんに目を向ける。
ため息をつきながら華ちゃんが話してくれた。
「桃山さんの弟さんに話を聞くのが一番早いと思ったのよ。駄目だと思ったけど人事で実家を調べて会いに行ったの。で、光希君に会って話を聞いてみると、ストーカーなんてしてないって言うじゃない」
ええっ?と思わず恭一君を見ると、頭を縦に振って頷いた。
「キヨのでっちあげだったんだよ」
「キヨとは友人の紹介……コンパだな。で、知り合って話の途中で俺と姉貴の桃山さんが同じ会社なのを知ったんだよ。で、帰りに酔ったふりして家に送ってもらったのを無理矢理みたいに言ったんだ」
「えっ?その日初めてあったんですか?ストーカーって……」
「前からつけられてる気がしたとかなんとか言ったもん勝ちだよな。キヨも自分の容姿のことよく分かってるし」
「なるほど……」
「諦めてもらうのに俺と光希と3人で会った後、桃山を呼び出して光希は帰らされたらしい」
「あのあと水守さんと何を話したのか、いくら聞いても教えてくれなくて、ストーカーなんてしてないって言ってるのに、私に任せておきなさいとか勝手なこと言って、こんなことして何やってんだよ!」
ことのなり行きを苦しそうな顔をして聞いていた桃山さんが光希君に詰め寄られて、やっと話し出した。
「……ストーカーしていたことは黙ってるから、お願いを聞いてほしいって言われたのよ。笠原さんが邪魔だからって」
ふふっ、と笑ったキヨさんが冷たい目をして桃山さんと向き合った。
「そうよ。だって、邪魔だったんだもの。恭一がそんな地味な子と付き合ってるだなんて、騙されてるとしか思えない。……でも地味なのは振りだったみたいね」
「おい、俺が騙される奴だと思ったのかよ」
心外だと言わんばかりに恭一君が口を挟む。
「そうよ。だって、今までだって変な女に捕まったことあったじゃない」
うわーーーーー……と恭一君を見て、一歩横にずれた。
やっぱり私の想像は当たっていたんだな。
キヨさんがこうなったのは恭一君の過去の行いのせいだ。
うん。