俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
笑顔で話す二人の雰囲気は、和やかそうに見えてピリピリとした空気が出ていた。
それをなんとなく肌で感じ取り、背の高い二人に囲まれて目をキョロキョロさせる。
「は、、、華ちゃん?お昼、行きませんか?遅くなりますよ」
「そうね、小早川君も一緒にどう?社食だけど」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えてお供させてもらいますね。笠原さん?宜しいですか?」
女性の割には165センチという背の高い華は、プラス5センチのピンヒールを履きこなす。
小早川も170センチ近くはあるので、笠原の両脇に立たれると、ある光景が思い浮かぶ。
「私……捕らわれた宇宙人みたいですね」
ぼそりと声が漏れ、小早川君が盛大に吹き出した。
「ブハッ、、、」
口元を押さえて肩を震わせている。
「あーーーやっぱり杏は可愛い。癒されるわぁ」
その綺麗な顔を緩ませて、華は笠原の頭を撫でる。
「華ちゃん?子供じゃありませんよ?」
「いいの。いいの。私の癒しなんだから」