俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


お弁当持参の私と違って社食のランチを買いに並ぶ二人を見ながら先に席につく。

花形部所である秘書課の中でも上位であろう華のその容姿と、見た目だけならこちらも上位に居るであろう小早川君と二人で並んでいる。遠目にも華やかな二人は周りの視線を集め、なんてお似合いなんだろう。

眼鏡の奥でニコニコと笑いながら向かい側に座る華を見る。

「どうしたの?」

私の隣に座る小早川君も首を傾げて見てきた。いちいち仕草が可愛いなんて、なんて策士なんだろう。


「二人ともお似合いだなって思ったんです。なのに、どこかしっくりこなくて違和感だらけなのが可笑しいなって思って」


華はあからさまに嫌な顔をして、小早川は眉を寄せて困ったような顔を作る。


「やめてよ。こんな偽物ワンコ王子」


「心外ですね。偽物だなんて」


毒をはく華を軽くかわす小早川君。
感じた違和感は、似た者同士だからか。


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