俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
まぁ名前くらいなんでもどうぞ。


「では、遠慮なく。杏さん?」


耳元に近付き、囁くように名前を呼ばれた。ピリッと体に電流が走ったような感触かした。
目を見開き、手を耳に被せる。


「ち、、近すぎると思います」


ほんのり赤くなった頬と、ふいに崩れた杏の態度に、快い高揚感を覚えた。


「そこ、調子に乗らない」


華から指導が入る。


「チッ、、……でも、杏さんにも仲の良い社内の人が居たんですね」


「……小早川君。華ちゃんは先輩なんですから舌打ちしたら駄目です。でも、皆さん年も上ですし、私もこんな感じなので、同期の中でも華ちゃんだけですね。忙しい秘書課に居るのでこうやって時間の合うときだけですが、華ちゃんと話すのは楽しいです」


照れたように話す杏は、本当に華の事が好きだとオーラが出ている。
二人の間に入れない小早川はなんとなく面白くない。

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