俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
こんな風に自分でもよく分からない。
だけど、気になるんだ。
確かに興味はあった。
キスしたのもただの気まぐれだ。
おもしれぇ女と思って、からかっただけだ。
じゃあなんで2回もした?
からかうだけなら、1度でいいだろう。
相手に本気になられたら、それこそ面倒な話のはずだ。
しかもこんな近場で。
キスしたら気になって……って、中学生かよ!
「小早川君?」
はっとして、声をかけられた方へ向く。
「お昼ですよ?華ちゃんとランチに行きますが、どうしますか?」
どうみても、こけしにしか見えない。
ありえねぇ…………。
「…………行きます」
社食まで隣をちょこちょこ歩いて付いてくる。
自然と速度を落としてしまう。
俺、そんな奴だったか?
「華ちゃん」
社食に座る華の姿を見つけ、相変わらず嬉しそうに呼ぶ。
そんな声で俺の事は呼んだこと無いくせに。
…………重症だな。