俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
今日のように仕事を押し付けられる事なんていつもの事だし、特に用事もないから苦にもならない。
逆に残業代も入って懐も潤う。
いつもの事だ、定時直後に彼にも片付けと帰宅を促した。
新入社員なんだ、今くらい早く帰った方がいい。
しかし彼はいつも何だかんだと先輩営業に話しかけ、フロアをうろうろしている。
なのに、今日に限って私と一緒に居残り、突然豹変した。
それが冒頭の会話だ。
そして、それはこう続く。
「先に帰って貰って良かったんですけどね」
「…………あっさりしてるんだな」
「驚いてはいます」
「…………それだけ?」
「他に何が?」
そんなもの足りなさそうに見られても、どうしろと?
「へぇ?もっと驚くかと思った」