俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


こんな風に男性と車に乗ったことも、こんな時間に二人で居たことも、杏はしたことがなかった。

女子高に通っていたわけでもないが、小さい頃から目立つタイプでもなく、誰か異性に興味を持たれたこともなかった。
恭一のような華やかな人種の人と接する機会もなかったし、持ちたいとも思わなかった。
恭一とも、仕事でなければ話すこともなかったであろう。

それが、偶然恭一の素顔を知り、仲の良い華とも恭一が親しくなった事で、仕事以外の事も話すようになった。
会社内での仲のよさとはいえ、あれほど一緒に居たことなど、加藤の時でもなかった。

まぁ加藤くんは、合間に構いに来ていただけで、小早川君は教育係なんだし、席も隣なんだからずっと一緒よね。

だけど、知らぬまにこんなに心を許していたんだろう。
今日小早川君を見て本当に安心した。
小早川君で良かった、と思った。










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