俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


恭一が、目配せでホールスタッフをよび何やら注文を始めた。
すぐにソムリエが来て、シャンパンが運ばれる。

「これ飲みやすいから。誕生日なんだろ?お祝い、しようぜ」


グラスの中を泳ぐ小さな気泡が真っ直ぐとのぼってゆく。

キラキラと光輝く液体が凄くキレイ。

「ありがとう……ございます」

ドキドキと胸が高鳴る。
恭一は運転があるためノンアルコールのカクテルのようだ。
グラスを持ち、カチンと重ねた。

「happy birthday」

いつも見せる意地悪な笑顔とは違う、優しい微笑みに胸がキュンと鳴った。

< 48 / 246 >

この作品をシェア

pagetop