俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
恭一が、目配せでホールスタッフをよび何やら注文を始めた。
すぐにソムリエが来て、シャンパンが運ばれる。
「これ飲みやすいから。誕生日なんだろ?お祝い、しようぜ」
グラスの中を泳ぐ小さな気泡が真っ直ぐとのぼってゆく。
キラキラと光輝く液体が凄くキレイ。
「ありがとう……ございます」
ドキドキと胸が高鳴る。
恭一は運転があるためノンアルコールのカクテルのようだ。
グラスを持ち、カチンと重ねた。
「happy birthday」
いつも見せる意地悪な笑顔とは違う、優しい微笑みに胸がキュンと鳴った。