俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
「だからさ、なんでそんな言い様に使われてるんだよ。断りゃ良いじゃん」
ワンコ王子、改め俺様御曹子はなおも続ける。
「……その話し方はそっちが地ですか?」
「あきらかに使われてるだろ?あいつら後輩じゃないのかよ」
「……器用なんですね」
話を合わせながら帰るタイミングを見計らう。
「ねぇ。話合ってないから」
「合ってない?」
「ちゃんと聞いてた?」
聞いてますとも。
首を横に傾げながら、彼と同じように自分のデスクに凭れて、持っていた鞄の中から飴を出す。
要る?と、隣に立つ彼に目を向けるが、首を横に振られた。
美味しいのに。