俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


「…………杏。おはよ、、、」


そのまま頭を引き寄せられ、後頭部にチュッとキスをされる。
ボンッ!と音がするほど勢いよく顔が赤くなる。頭はまだ引き寄せられたままだ。


「ヒィィィィィィ。な、、、ど、、、だ、、、!!!!!!」

上手く言葉が出てこない。
頭が真っ白で、一気に涙も出てきそうだ。

ブハッッ、と吹き出す声に更にパニックになる。
優しく頭を撫でられて、

「クククッ、、、あ、杏?俺だよ」

抱き締めてられていた腕に力が入って、体が傾く。ヒャッと思わず声をだし、気がつけば目の前に恭一の顔。

へっ????

腕の中に囲われて、自分の居る場所が分からない。
キョロキョロ回りを見渡して、信じたくないけどどうやら恭一の胸の上に乗せられているようだ。
胸の上?
小早川君の?

「!!!!!!!!!」

言葉になら無い叫び声をあげ、胸の上に両手を付き突っ張るように肘を伸ばす。

「ごっっごめんなさいっっ!おっおろっ、、下ろしてください!!重たいっ!!」

涙目で訴える。

「ククッ、落ち着け杏」

体に回されていた手がトントン背中を叩く。

「いっいやっっ、、、でもっでもっっ、、、」

目尻に溜まった涙が今にも溢れ落ちそうだ。

「…………ッ、又そんな顔して、、、」


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