俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
「………………会社でそんな可愛い顔他の奴等に見せるな」
不機嫌そうにそう耳元で呟かれて、一気に心臓が動き出す。
くるりと華ちゃんに顔を向け直し、訴えた。
「はっ華ちゃん。私には荷が重すぎます!!」
「まあまあ、落ち着いて。あのね、凄い見られてるから。注目の的だから。そこの御曹司、やりすぎだから」
冷ややかに刺すような視線を恭一に向けて、回りの驚愕の視線を確認させる。
軽く回りを見渡して、
「見せつけてるんですよ」
いつものワンコは姿を隠し、クスリと妖艶に笑う恭一。
遠くで黄色い声が聞こえる。
「杏さん?早くは食べないとお昼休み終わりますよ?」
今度はにっこりワンコの顔だ。
よくそんなにコロコロ変えられるものだ。