俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

念には念を。
そうだ!と、思い付いて駐車場のある裏口から行くことを思い付いた。
重役連中の車や、社用車、車通勤の人たちのための駐車場が裏口から繋がっている。

ナイスアイデアだと地下まで降り、駐車場の裏口を開けた瞬間、クラリと目眩がした。

狙った獲物は逃がさないとでも言うような捕食者の目をした恭一が妖艶に微笑んで、黄色い声を上げるお姉さまがたに囲まれていた。


「おそかったですね?杏さん」

「ひぃぃぃぃぃ」

「さぁ。帰りましょうか」


呆然と立ち尽くして、動けない私に王子さまさながら手を差し伸ばした。
私にその手を取らないという選択肢は無かった。
だって、その笑顔が怖い。
あぁ、、、終わった。

顔がひきつるのが分かる。
敗けを認めて手を取ろうと一歩前へ進もうと体を動かしたその時、横から不機嫌な声が聞こえた。


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