俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


無言で走る車のなか、隣から感じる威圧的な空気にビクビクしながら、何処へ向かっているのか聞いてみた。

「あ、あの…………今から何処へ?」

「あっ?……杏の家。10分で泊まりの用意してきて」

「はいっ!?な、なんでですか??」


回りを見渡して見れば、なんとなく見覚えのある通りで。言われた通り私の家の近くまで来ていた。


「このままお前の家におしかけてもいいけど、このアパート駐車場ないだろ?とりあえず2、3日分の着替え持ってこい。週末帰すつもりないから」

「なっ、嫌ですよ。泊まる理由がありません。私はこのまま帰りますっっ」


首をブンブン横に振って、狭い車内で少しでも離れようと距離をとる。


「却下」

「意味が分かりませんっ」

「へぇ。じゃあこのまま俺の家まで帰ってもいいんだぞ?下着も服も無いからな、俺のを貸してやるよ」

「い、嫌ですっ」

「じゃあそのまま素っ裸でいるんだな。別に俺はそれでもいいぞ?」

「嫌です」

「それいいな。それでいこうぜ」

「嫌ですーーー!!!」

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