俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
恭一の部屋へ着いたのは、夜の9時を回っていて、疲れはてていた私は座り込んだソファーで寝てしまいそうになっていた。
「おい、寝るなよ。風呂、入ってこいよ」
「はっ、、、はいっ」
もう考えることも面倒くさい。
お風呂に入って寝てしまおう。
ありがたくお風呂を使わせてもらい、持ってきたパジャマがわりの部屋着に着替える。
湿気で暑い我が家では、この時期から半袖Tシャツにショートパンツだ。
少し窓を開けて寝ると丁度良い。
ドライヤーの場所が分からず、まぁいいかとリビングに戻った。
会社でも殆ど素っぴんだ。
気にしたって仕方ない。
もう早く寝たい。
「お風呂、ありがとうございました」
リビングにいるかと思った恭一が居らず、音のする方へ来ると、キッチンで何かしている恭一がいた。
声を駆けて、お礼を言う。
「あがった、、、か?」
振り向き私の顔を凝視して、目を見開く。
恭一の手からポロリと何かが落ちた。
「ちょ、大丈夫ですか?」