俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

カチリと音がして、ドライヤーのスイッチが入り、ソファーが沈む。
私の後ろへ座った恭一が乾かしてくれているようだ。

「自分で、できますっ」

「いいからじっとしてろ」

慌てて後ろに手を伸ばしてドライヤーを取ろうとしてみても、あっけなく却下された。
まぁいいか、気持ちいいし。
ブォンブォン風を当てられて、あっという間に乾いた髪。
再びウトウトしてしまった。

「終わったぞ、こら寝るな」

「ハッ、、、すみません。ありがとうございました気持ち良かったです」

ふにゃりと思わず笑ってしまう。

「…………っ、とりあえず飯、軽く食うか?」

「はい!」



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