俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


二人掛けのテーブルに並べ、手を合わせる。

「いただきます。これ、ありがとうございます。でも凄いですね、いつも入ってるんですか?こーゆうの」

男の子の生態はいまいち分からないけれど、けっこうマメなのね。
ちゃんと家で食べるんだ。
なんとなく外食か、インスタントのイメージだったので、関心してしまう。


「いや、、、今日お前をつれてくる予定だったから、昨日買っといた。外で食ってきても良かったんだけどな」

「そんな計画的犯行だったんですね」

「勝手に事件にすんなよ」

「いや、これ立派な拉致ですから」

「ブハッッ。だな」

「で、監禁ですからね」

「ハハッやっぱりおもしれー」


何が面白いのか恭一はケラケラ笑う。
なんでそんなに楽しいんだろう。
なんでそんなに優しく見てくるんだろう。
この人は本当に私が好きなんだろうか?

分からない。

いや?仮にも好きな人を拉致監禁するか?

━━━しないよね、、、。

分からない。
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