俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

夜は、恭一リクエストのオムライスを作った。
ケチャップで、『ギャップリオ』と、書いてやった。

寝るときは、ソファーで寝ると言い張ったのに、結局言いくるめられ、同じベットだ。
お願いだから真ん中からこっちには入らないでと約束し、ブーブー文句を言う恭一を無視して眠りについた。

━━━起きたら抱き締められてたけれど……。

でも、叫ばなかった!えらい。私!
2度もキスしてたまるものか。
そろりと腕の中から抜け出し、朝食の準備にかかる。
恭一リクエストの玉子サンドだ。

作っていると、バンッ!と大きな音がして、『杏!?』と、慌てた恭一が起きてきた。

その様子がおかしくて。

「クスクスクス。おはようございます。どうしました?」

恭一が初めて可愛く見えた。
ワンコ王子でもなく、本当の笑顔で嬉しそうに私を呼ぶ。

「はぁ、、、良かった。杏、おはよう」

頭撫でてあげたい…………。
絶対出来ないけど。


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