彼女の彼氏が決まるまで
「え?あーだって、他のやつに相手役譲るなんてあり得ないだろ?」
服を脱ぎながら言う。
「いやいや、普通そこは生徒に譲るもんだよ?」
「本居じゃなかったらね。本居が相手なのに、俺が譲るわけねーじゃん。中川だって他の男子になんて嫌だと思うよ?」
「いやー・・・そこは、どっちもどっちでしょ?」
「まあ、それもそうか・・・。けど、劇の練習、家でも出来るし良くない?」
夕飯の支度をしながら、夏音はあきれた顔をする。
「それに・・・大人気ないとはわかってんだけどねー。理屈じゃないんだよ。」
塚原はそう言って笑った。