彼女の彼氏が決まるまで
夏音はサラッと答えて塚原から離れ、体育館を出る。
「本居。ちょっと。」
誰もいないところで渉に呼ばれてついて行くと、氷とスプレーを渡した。
「これ、貰ってきてくれたの?てか、何で気づいたの・・・?」
「保健室で嘘ついてもらったのと、スプレーは俺の部活用。カバン置きっぱで普通、家帰んないでしょ?」
「まぁ、だよね。」
「それに・・・綱引きでも力入ってなさそうだったし、足に縄かけんのかなり躊躇(タメラ)ってたから。そんななって、何したの?」
足を指差す。