彼女の彼氏が決まるまで
「小久保?本気?」
「渉くん、喜んでんじゃん。てか、いつまで俺は名字なわけ?夕輝でいいよ。」
「夕輝、それよりさー恥ずかしいんだけど。」
小声で言うと、
「はいはい。」
と言いながら、夏祭りで歌った歌を弾きはじめた。
正直、夏音は夏祭りの時より緊張していた。
あの時は知らない人ばかりだったから。
今回は違う。こんな内々のパーティーで歌うことになるとは・・・腹をくくって歌うことにした。
ゆっくりとした時が流れる。
皆はソファーや椅子に座ってしっとりと聞く。