彼女の彼氏が決まるまで
悠はその病室のソファーに小さくまるまって座っていた。
「悠・・・今日は家に・・帰れ。」
塚原が悠に優しく声をかけた。
「一緒に・・・いさせてくれよ。・・現実を受けとめんのが・・怖いんだよ・・。」
悠の目からこぼれ落ちる涙に、夏音はベッドから降りて自分の布団を持って行き悠にかけて自分も隣に座った。
「ここから・・出たら・・・しゅ」
夏音も言葉がつまって、会話にならなかった。
でも、このままここにいたんじゃいけない、そのことだけは夏音にはわかっていた。
変えたいけれど変えられない現実・・戻せるなら戻してやり直したい。それでも戻れない事がわかっているから・・やるべきことは・・・わかっていた。