彼女の彼氏が決まるまで
奏に聞きたいことはたくさんあった。
あの日のこともしっかりと謝りたくて、夏音は片付けながら奏に話しかけた。
「あの時は・・・ごめん。どうしても瞬の事が頭から離れなくて・・奏の気持ち無視してた。」
「謝んないで、そんなこと気にしてないよ。」
奏は優しく微笑んだ。
「その時にさ、チラッと見えたんだけど・・・」
「これのこと?昔、心臓が悪くて手術したんだ。それでしばらくサッカーから離れたけど、今は全然ピンピンしてるよ。」
元気そうな奏が病気をしていたなんて思いもしなかった。
また1つ、知らなかった奏を知れた気がした。