彼女の彼氏が決まるまで
「っということで、俺の言ったこと考えてみてよ。」
奏は笑った。
夏音は返事をし、しばらく話をして家に帰った。
「ただいま。」
「おかえり。どこ行ってたの?心配したんだかんな。」
「あ・・・うん、ごめん。」
夏音はそのまま部屋に戻ろうとすると、塚原は腕を掴んだ。
「何?」
「奏くんだろ?かのんがそんな顔するのは。」
お見通しだった。
それでも夏音は瞬の時のように、奏の事を話す気はなかった。
悠がしたくないように、塚原もきっと嫌だと分かっていたから。
「疲れてるだけだよ。」