彼女の彼氏が決まるまで
夕輝は階段を駆け上がって行った。
夏音は階段にむかいながら、理科準備室の方に目をやると西川が出てくるところだった。
慌てて、夏音も階段を駆け上がり、教室へと戻った。
「小久保も急いで荷物持って!!」
「え?!」
夏音は夕輝の手を掴んで今来た階段から一番遠い階段まで走り、駆け下りると、下駄箱に誰もいないことを確認してから靴と上履きを入れ替え、渡り廊下から外に出た。
「本居?」