彼女の彼氏が決まるまで
奏は夏音の顔にそっと触れると親指で涙を拭い、優しく抱きしめた後お弁当を買ってくると言い、部屋を出て行った。
「ただいま。」
「あ、おかえり・・あれ、奏に会わなかった?お弁当買ってくるって出てったんだけど・・・。」
「来てんのか!会ってないけど、そのうち帰ってくんだろー。」
塚原は上着を脱ぎながら言う。
「あ、そうだよね!あ、あたし・・・あ、えっと、部屋にいるから、戻って来たら呼んで!」
夏音は部屋に戻った。
奏。
夏音は奏の気持ちが少しだけ分かった気がした。