彼女の彼氏が決まるまで
決行
「夏音ちゃん。」
前の席の悠は行くなり声をかける。
「おはよ!!」
夏音は笑顔で挨拶をし、カバンから筆箱を出した後、さっと席を立った。その夏音の腕を悠は掴んだ。
「痛っ・・・つ、強く掴みすぎだよ。」
夏音は気丈に振る舞って、手を振り廊下へと出て行った。
本当は授業に出れるような体ではなかった。
頭もガンガンし、立っていても座っていても体中が痛む状態。
夏音は階段下に座り、壁に寄りかかると、深く溜め息をついた。