彼女の彼氏が決まるまで

決行


「夏音ちゃん。」




前の席の悠は行くなり声をかける。





「おはよ!!」




夏音は笑顔で挨拶をし、カバンから筆箱を出した後、さっと席を立った。その夏音の腕を悠は掴んだ。







「痛っ・・・つ、強く掴みすぎだよ。」




夏音は気丈に振る舞って、手を振り廊下へと出て行った。







本当は授業に出れるような体ではなかった。
頭もガンガンし、立っていても座っていても体中が痛む状態。

夏音は階段下に座り、壁に寄りかかると、深く溜め息をついた。






< 61 / 420 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop