彼女の彼氏が決まるまで
羽月はその後ダンスのレッスンだったと慌てて帰って行き、結局2人だけのご飯となった。
「先生。ありがとう、いただきます。」
「いただきます!」
挨拶をしてからは無言で食べ始めた。
何か話したら泣き出してしまいそうなくらい、ご飯が温かかったから。
「先せ・・・」
一言、一言美味しいって言いたかっただけなのに、夏音の涙は溢れ出して止まらなかった。
「おい・・・痛むのか?」
首を縦に振ったが違う・・・指じゃない、心が痛くて痛くてしかたないのだ。