青春のグラジオラス
「でも、なんだか君の後悔を見つけるのは苦労しそうな気がするにゃ」
猫は嘆息しながら言った。
「どうして?」
「君は後悔が少なそうに見えるからにゃ」
どうだろう。確かに今、こうして過去を振り返ってみても悔やむようなことはあまり思い浮かばない。後悔というマイナスな感情に限らず思い出にしてみても、何が思い出せるわけでもなかった。
「僕は他人よりも内観することが少ないのかもしれない」
「そうかもにゃ」
猫は僕の言葉に合わせて返事をする。つまらなそうにあくびをしている姿はもう二度目だった。
「でもそれ以上に、君ははじめからいろんなことを諦めているように見えるにゃ」
諦めている。それはあまり良い印象のある言葉ではないことは確かだ。何かを断念することに対して使われている言葉に、良い印象なんて持つことはできないに決まっている。嫌いな人を好きになれと言われてできないことと同じだ。
猫は嘆息しながら言った。
「どうして?」
「君は後悔が少なそうに見えるからにゃ」
どうだろう。確かに今、こうして過去を振り返ってみても悔やむようなことはあまり思い浮かばない。後悔というマイナスな感情に限らず思い出にしてみても、何が思い出せるわけでもなかった。
「僕は他人よりも内観することが少ないのかもしれない」
「そうかもにゃ」
猫は僕の言葉に合わせて返事をする。つまらなそうにあくびをしている姿はもう二度目だった。
「でもそれ以上に、君ははじめからいろんなことを諦めているように見えるにゃ」
諦めている。それはあまり良い印象のある言葉ではないことは確かだ。何かを断念することに対して使われている言葉に、良い印象なんて持つことはできないに決まっている。嫌いな人を好きになれと言われてできないことと同じだ。