青春のグラジオラス
 なかなかどうして信じられない。目的もないのに部活に入って努力したりなんてしないし、理由もないのに告白された女の子と付き合ったりはしない。人生もそうではないのだろうか。

 何か目指すべきもの。偶像でも理想像でもなんでもいいけど、何かしらの目的意識がなければ僕らは何もしようとは思わないはずだ。意味のない人生なんてものは大黒柱のない家と同じだと思う。少しのきっかけで脆く崩れていく。

 まさに今の僕の状態と見事に重なる。生きる意味を見出せず絶賛迷走中な僕はきっと、本がなくなってしまえばいとも簡単に死ぬことができると思う。よく分からないベクトルに働く自信がある。

 本を読むことは、僕にとって生きることそのものだ。
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