うっせえよ!





訊くところによると、お義父さんは、車の輸入販売会社を経営していたらしい。



その会社を譲渡してからは、学生時代の同級生とジャズバーを経営しながら、ジャズを楽しんでいるのだという。



休みの日は、競馬に出かけたり、スタジオを借りてドラムを叩いたり、余生を謳歌しているというか、白髪頭からは想像もできないような馬鹿をやっているのだとお義母さんは半ば呆れながら話してくれた。



そのお義母さんはというと、ピアノ教室の講師を経て、専業主婦になり、クソアマが独立してからは、趣味のフラダンスや三味線教室に通ったりとこれまた余生を謳歌しているらしい。



まあ、絵に描いたような幸せな家庭で、それが原因でこんな兄妹が誕生してしまったのか。



いずれにせよ、幸せな家庭で何不自由なく誠司さんは育ったんだということはわかった。



ああ、そうそう。クソアマはというと、私より一つ年下の23歳で、都内の国際大学在学中に、危険物取扱免許、司法書士試験、気象予報士試験を受けてどれも一発合格。



卒業後は、保険会社に勤めているという異色な経歴の持ち主で、悔しいけど、才色兼備という言葉が似合うほど、綺麗で秀才。



だから余計腹が立つ。憎たらしい。



そういうところは、誠司さんそっくりだ、ホントに。




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