うっせえよ!
「それって絶対おかしくない? 嫌なら辞めたらいいじゃん。好きなもの書いたらいいじゃん。」
「でも、それが世間に認められなかったら、売れないでしょ? 売れないと飢えちゃうもん。」
「それなら大丈夫だよ。お兄ちゃんが養ってくれるんだし。やってもみないで諦めるってなんかカッコ悪くない?」
やってもみないで諦めるってカッコ悪いかあ……。
「私、大木りんのサスペンスは嫌いだけど、ラブストーリーは好きだよ? パンジー読んでるもん。」
「パンジー? 読んでるの?」
「まあね。私、ラブストーリーとか割と好きだし。」
「でも、まあ、ここだけの話、再来月で打ち切りなんだよね……。」
「そっか。残念。あの話、結構好きだったのに。イケメン社長の御曹司とOLの恋。」
私は何だかおかしくなって、思わず笑ってしまった。
「お嬢ちゃん、結構変わってるね。」
「おばさんほどじゃないよ。」