うっせえよ!
やり残した大仕事。
10月3日。
この日は、月刊カミツレの発売日であって、私の特集が組まれた号が発売される。
大体は、発売事前に見本をもらうのだが、あれだけ余裕がなかったこともあり、私の手元に見本本が届いたのは、発売日当日だった。
『大木りん生誕記念特集!』
まあ、なんとも大袈裟なこの見出し。
特にこの「生誕」という言葉が気に入らなかった。
そもそも「生誕」は、偉人に使われる言葉であって、偉人というものはどの時代も死んでからなるものが多い。
偉人でもねえし、死んでもいねえし!
どっちかというと、不眠不休で働いてくれた月刊カミツレの編集部こそ、偉人である。
何人かは死ぬ思いをしたという。
もしかしたら、本当に死んだ人もいたかもしれない。
いくら三村編集長とはいえ……あり得る。
……喪服を準備しておこうかしら。