うっせえよ!





誠司さんは今、私のベッドで私の隣で寝ている。



お互い向かい合って、でも身長差があるから、誠司さんの寝姿はよく見えない。



ただ、心臓の音は感じる。



近くに、私の愛している人の生きている証が音となって伝わる。



朝晩寒くなってきた10月。暖房を点けなくても、こうやって抱き合って寝れば、暖かい。



人肌の温もりであり、これが幸せの温もり。



「誠司さん、起きてますか?」



「ああ。」



「明日も早いんですから、もう寝ないとダメですよ?」



「お前だって早く寝ろよ? 睡眠不足は肌の大敵なんだぞ?」



「ホステスの受け売りですか?」



「悪くないだろ? ホステスの受け売りってやつも。」




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