うっせえよ!





家を出る前に誠司さんは言った。



「りんがおばあちゃんになっても、私って愛されてるなって思うくらい、俺は愛し続けるよ。」



そう約束してくれた。



きっとそんな約束、長い夫婦生活のどこかで忘れてしまうんだろうなと思う。



結局、キャバクラなんかに行ったりなんかして、喧嘩になるんだろうなと思う。



でも、それでいい。



そうやって、言いたいこと言いあって、喧嘩しあって、仲直りして。



愛の形。



ハートの上の部分が少し欠けているように見えるのは、きっとそういうことを表しているからなんだろうなと思う。




< 242 / 252 >

この作品をシェア

pagetop