うっせえよ!





まさかとは思うが、この人は毎日おろしたてのカッターシャツを着ているんじゃないだろうか……。



そう思って、部屋の中を調べてみると、あった。脱ぎ散らかされたカッターシャツの山がざっと50着くらいある。



「どうして毎日カッターシャツを新しいものに変えるんですか? マリー・アントワネットですか!」



そう訊くと、カッターシャツに袖を通した誠司さんは、振り返って、目を細めた。



「俺は……一瞬の輝きを大事にしたいんだ。」



私は目の前の段ボールを思いっきり蹴り飛ばした。



うっせえよ! どうせ洗濯機の使い方がわからないだけだろ! 洗濯できないから仕方なくだろ!



その証拠に、洗濯機の蓋を開けると、大量の骨付き肉の骨のようなものがゴロゴロしていた。センタッキーとでも言ってほしいのだろうか。



「こんなに骨ばっかり集めてどうするんです?」



「犬にやるんだ。」



犬飼ってないのに?




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