うっせえよ!
主婦の幸せ。
誠司さんにはソファーで寝てもらうことにした。
来客用の寝言はソファーであると相場が決まっている。例外はない。
どんなに仲の良い明美でも、私の原稿が出来上がるのを夜通し待ってくれる藤原でも、編集長である三村さんであってもだ。
三村さんでさえ、ソファーを勧めるのだから、その部下に当たる誠司さんも同じだ。私のベッドは渡さないし、渡したくもない。共有なんて以ての外だ。
「誠司さん、寝にくくないですか?」
「ちょっと小さい……。」
藤原ならすっぽりとはまるのに、長身の誠司さんにはこのソファーは小さいようで、足が飛び出ている。
「猫みたいに寝てみたらどうですか?」
そうアドバイスをすると、誠司さんはムクッと起き上がり、一言。
「ニャーオ。」
「……。」
もちろん、私は猫みたいに丸まって寝たらという意味で言ったのだ。
しかしまあ、なんか少し可愛かったので、あえて指摘はしなかった。これが萌えというやつか。