優しく愛した

 「…オナガは私のもの。私はオナガのもの。これからも一生永遠に」

 嬉しい言葉だった。

 それでも引っかかる、先日の言葉があってはどうしても。

 「…のろい…でも呪いなんでしょ?」

 オナガはベニハシのもの。

 だけど、ベニハシはオナガのものではないという事。

 一時的につけた噛み跡など比にならない、想いの強さ。

 知りたくない、何も感じたくない。

 逃避の理由を察せないその無神経さに怒りが沸いた。

 「…前の恋人がずっと今も永遠にベニハシを呪うんでしょう?切らないんじゃない、切れないんでしょう?呪いなんかじゃないわよそんなもの。それは未練、未練っていうのよ!断ち切りたくないから残してる、まだ好きだから!そうなんでしょう!?」

 言えば、ベニハシが顔を上げた。

 困ったように、悲しむように眉を寄せて。

 
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