刺激の強すぎたお持ちかえり 【完】
丸や。

都内にしては少しだけ汚い外装で狭いけど、
味は確かで、ランチ時は多少混んでる和食屋。

夜はお酒も出している。


女将さんは優しくて、
田舎の母親を思い出し、
お昼が遅番の時、
確かによく1人で行ってた。


だから、昨日も、
会社の近くは嫌だけど、
それでも、
美味しい物をたべたくて……。



「えっと、もしや……」

「そ。俺もたまに行ってた。」


「あー。そうなんですか。弁護士……」

また、男は少しだけ
厭らしい顔で

「上司、パワハラで訴えるか?」

「……いえ、そんな気はないです。自分にも非はありますので。」

そう。
結局辞めたのは自分勝手な理由からだ。



「そ。頼まれても俺、忙しいから、知らねーよ。」

……。

ってか、
弁護士だろうが、
なんだろうが、




やっぱりやな奴。
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