あかすぎる、恋に。


「・・・・・誰かを思うって、辛いね。
それでも、簡単に諦められない。
・・・・誰かを傷つけることはしたくない」


なんて矛盾何だろう。

だけど『恋』をしてる私には、それが
痛いほどに分かってしまうのだ。


・・・・・それがどうしようもなく苦しい。

「・・・・・・・うん、辛いよ」

「だけど・・・・・・」


そう言って言葉を止めた唄鳥君。

もうすぐで本鈴が鳴ると分かっていても、
どうしても気になって立ち止まって
聞いてみる。


「だけど、何?」


唄鳥君は、止まった私を急かすように
進めた。



「誰かを傷つけてるって分かっても、
それでも自分の想いを優先させてしまう
自分も、醜いなって」


言葉が、一瞬詰まる。

まさかそんな言葉が出てくるなんて
思わなかった。


いや、ある程度は予測していたのだけれど、
それでも言葉に詰まった。

醜い、か・・・・。

私もきっとそうなのだろうな。
きっと。ううん、絶対・・・・・・。












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