あかすぎる、恋に。

「そうだね・・・・きっと、醜いよね」

「きっとじゃない。絶対だよ」

私があいまいに伝えると、一瞬でキッパリと
返されてしまった。

私の方を向いてはいなかったけど、
その目には怒りさえあって、私を責めている
ような錯覚に陥った。


「・・・・・・ごめん」

「苦しめて、でもそれを見ぬふりをしてる。
自分を正当化させて、安全地帯に入って。
そんなの・・・・・非道としか言えない。」


吐き捨てるように放たれた言葉は、私の心を
深くえぐっていた。



「・・・・・・・・・・・・」


そんな私をちらりと見て、目を伏せる。

「・・・・でも、俺も同じだから」

その言葉は私を励まそうとしているのか、
自分を傷つけているのか、同調しているのか。


多分すべてだと思う。


「私・・・・・」
「もう少しで本鈴が鳴ります。・・・・
急いだ方がいいですよ」


無理やり口から出そうとした言葉を遮って、
唄鳥君はまたも私を急かす。


唄鳥君は、厳しいよ。
自分に厳しくて、追いつめて、一人で考えて。

優しいけど、強いけど・・・とても寂しい人。

私が言えたことじゃないことは分かってる。
でもね、言いたかったんだ。

一人じゃないよ、って。
もう少し頼っていいんだよ、って。

私じゃあ頼りないかもしれないけど、彩と
遼真君ならきっといい答えを持ってきてくれる。