あかすぎる、恋に。
そう言って、唄鳥君は教室を出る。

私は、もう少しで授業が始まるというのに、
その場から動けなかった。


あまりに突然すぎる。
突然すぎて、頭の中が真っ白になる。


私が我に返ったのは授業の本鈴が鳴ってから。

で、あわてて行ってみたけど先生は怒らず
『気分悪いなら休んでろよ』と言っていた。


きっと、唄鳥君が送れるだろうと思って
言い訳をしてくれていたんだろう。


そう思うとものすごくありがたかった。
だからとにかく落ち着きたくて、授業を
木陰で見ている。


「・・・・・からかってない、か。」

あの唄鳥君がからかうことはないし、
からかっているような目ではなかった。


「何がからかってるって?」


「!」

後ろから声が聞こえて慌ててふりかえると・・・

「遼真!?体育の授業中でしょ!」

「あ?あー・・・優等生なんで先生からの
信頼は厚いんだっつーの」



うっわぁ、これ先生が聞いていたら泣くぞ。
全国の純粋な優等生に謝れ。


「何でだよ」

・・・・・・心が読まれていたか。






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