あかすぎる、恋に。
「いいよ、別に。」
「まだ終わってない」
はぐらかそうとした遼真をぴしゃりと
言い切った私は、意外だったらしく
びっくりしていた。
私だって、引き下がっていられないんだから!
「私のこと、どう思ってるの?」
「・・・・・・・・・」
「遼真は・・・・・私のこと、嫌い?」
そう言うと、遼真の顔がピクリと動いた。
「・・・・そうじゃない」
「だって!だって私、何回も遼真に
ひどい事言ったり、傷つけて・・・・!!」
嫌われて当然のはずなのに。
煙たがれていいはずなのに。
「本当は嫌いなはずでしょ!?」
気付くと叫んでいた。
「だったらもう関わってこなくていいから!!」
「彩!!!」
気付くと私は抱きしめられていた。
痛いくらいに強く抱きしめられる。
いつもふわりと漂ってくる優しい香りが
鼻をくすぐる。
「本当は、怖いんだよ!俺のせいで誰かが
傷つくのが!!」
・・・・・・え?
「知らない間に傷つけてたら!
泣かせていたらって!!」
その声は、わずかに震えていた。
弱々しく、でも確かに響く声で。