あかすぎる、恋に。
何を聞こうとしていたか、なんて
もう頭がからはなれて行った。

莉雨も唄鳥君も、もちろん遼真も大好きだから。


こんなにも大切な人たちを、傷つけたくないんだ。

この道が最善だと思ってた。
誰も傷つかない選択肢だと思ってた。

だけど、どうだ。

何で目の前の遼真は、こんなにも苦しそうなんだ?

何であんなに、莉雨は笑顔を見せないんだ?

何で唄鳥君は、私のことを気遣っていたんだ?

・・・・・みんなを助けるつもりか、
みんな不幸になってるんじゃないか。



「う・・・・ううううう!」

「彩・・・・・」

涙が止まらなかった。

遼真が誰が好きだなんて、どうでもいいんだ。
私の気持ちは、完全にハキッリとしたから。


もう嘘で自分をごまかしたくなかった。
正直にぶつかりたかった。


その決断がどんな渦を巻こうとも、
今は考えたくない。



こんな苦しいものが恋だって知ってしまったから。


私は遼真が好き。

ずっとずっと前からだけど、私の中には
一人しかいないんだ。









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